理学療法士(Physical TherapistまたはPhysio Therapist ; PT)は、厚生労働省が定める国家資格で、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に「理学療法」を行います。

「理学療法」は、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることです。

理学療法士を一言でいうならば動作の専門家です。

例えば、高齢者や、脳卒中での麻痺、新生児の運動能力の発達の遅れ、循環器・呼吸器・内科・難病疾患等の身体的な障害を持つ人、プロスポーツ選手などが、病気や事故などのケガにより、日常生活に支障をきたした方々に対して、起き上がり、 立ち上がり、歩行などの基本的な動作能力の回復など、手足の関節の動きを良くしたり、筋力をつける 「運動療法」や、温熱、電気光線などの物理的な刺激を用いて、痛みの軽減などの治療を行う「物理療法」、 実際の動作が円滑に行える様、その動作を繰り返し練習する「日常生活活動訓練」などのほか、車椅子、杖などの 使用に関する助言など、身体的なリハビリテーションを行います。

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理学療法士国家試験は、年1回、2月下旬か3月上旬の日曜日、全国(北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県。)で行われ、試験地を管轄する地方厚生局又は地方厚生支局が試験の手続き及び実施を行います。
近年では合格率90%を越えています。

受験資格は、以下のいずれかの条件を満たすことが必要です。

・大学入学資格を持つ人で、文部科学大臣指定の学校または厚生労働大臣指定の理学療法士養成施設において、3年以上理学療法士として必要な知識、技能を修得した人(卒業見込みの人も含む)

・外国の理学療法に関する学校もしくは養成学校の卒業者、または外国で理学療法士免許に相当する免許を受けた人で、厚生労働大臣が前項に掲げる人と同等以上の知識・技能があると認定した人

・理学療法士及び作業療法士法の施行の際(1965年8月28日)、現に文部科学大臣または厚生労働大臣の指定した学校または施設において、理学療法士となるのに必要な知識・技能を修行中で、法施行後にその学校または施設を卒業した人

試験の様式は、マークシート形式で、すべての設問が5つの選択肢で構成され、さらに択一式・択二式があります。

試験科目は、一般問題と実地問題になります。
・一般問題:解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法
・実地問題:運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法

ただし、点字試験受験者は2日間の口述試験及び実技試験で、実地問題は行わなわれません。

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