作業療法士(Occupational Therapist ; OT)は、所定の教育課程を修めた後、国家試験に合格することが必要です。

厚生労働大臣の免許を受けて、医師の指示のもとに、心身に障害がある人に対して、手芸・工作・木工・農耕・畜産・園芸・絵画・音楽・レクリエーション・生活動作訓練などのなどの「作業」を通じ、障害者の身体運動機能や精神心理機能の改善を目指す治療(作業療法)を行い、社会に適応できる能力の回復を図る、医療 ・福祉界のスペシャリストです。

作業療法士は、障害をもった人々の人間として生きていく上での(作業)活動を理解・分析し、入浴や摂食などの日常生活動作から 、職場復帰に至るまで、自立生活の援助や個々の潤った日々作りに積極的に関与し、生活そのものを力強くサポートしてゆきます。

病院・施設で働く作業療法士の業務は、診療の補助として以下のような作業療法を行ないます。
・作業療法士が食事訓練を実施する際などの喀痰等の吸引
・ 移動、食事、排泄、入浴等の日常生活活動に関するADL訓練
・ 家事、外出等のIADL訓練
・ 作業耐久性の向上、作業手順の習得、就労環境への適応等の職業関連活動の訓練
・ 福祉用具の使用等に関する訓練
・ 退院後の住環境への適応訓練
・ 発達障害や高次脳機能障害等に対するリハビリテーション

作業療法士になるためには、少なくとも高校を卒業後、まず「作業療法士養成校」(3年または4年間)に入学します。
作業療法士養成校を卒業すると作業療法士国家試験受験資格が与えられます。この作業療法士国家試験を受験し合格すれば作業療法士の免許がもらえます。

資格取得後は病院、精神病院、リハビリテーション施設、老人ホーム、障害者施設などで作業療法士として働く事が出来きます。

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作業療法士国家試験は、年1回、3月上旬の日曜日、全国(北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県。)で行われ、試験地を管轄する地方厚生局又は地方厚生支局が試験の手続き及び実施を行います。
作業療法士の国家試験合格率の全国平均は80~90%です。(養成校によっては100%のところもあります。)

受験資格は、以下のいずれかの条件を満たすことが必要です。

・大学入学資格を持つ人で、文部科学大臣指定の学校または厚生労働大臣指定の作業療法士養成施設において、3年以上作業療法士として必要な知識、技能を修得した人(卒業見込みの人も含む)

・外国の作業療法に関する学校もしくは養成学校の卒業者、または外国で作業療法士免許に相当する免許を受けた人で、厚生労働大臣が前項に掲げる人と同等以上の知識・技能があると認定した人

・理学療法士及び作業療法士法の施行の際(1965年8月28日)、現に文部科学大臣または厚生労働大臣の指定した学校または施設において、作業療法士となるのに必要な知識・技能を修行中で、法施行後にその学校または施設を卒業した人

試験の様式は、マークシート形式で、すべての設問が5つの選択肢で構成され、さらに択一式・択二式があります。

試験科目は、一般問題と実地問題になります。
・一般問題:解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法
・実地問題:運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法

ただし、点字試験受験者は2日間の口述試験及び実技試験で、実地問題は行わなわれません。

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