保育士は、一般に保育所など児童福祉施設において子供の保育を行なう、「児童福祉法」にもとづく名称独占資格として規定された国家資格です。

保育士は、長い間「保母」「保父」の名称で親しまれてきましたが、平成11年4月の児童福祉法施行令の改正により、男性も女性も関係なく「保育士」という名称に変更されました。

主に0歳~小学校入学前の児童の保育にあたる職業ですが、施設によっては児童福祉法の保護下にある18歳までをみる場合もあります。

保育士は、「子育てのスペシャリスト」であることを求められ、愛情をもって子供の世話をする事が最大の仕事であり、世話をする方法に関して専門的な知識を持たなければなりません。

なお、子どもと接する仕事であるために幼稚園教諭と混同されがちですが、幼稚園教諭の資格とは異なります。
また、管轄する省庁も異なり、保育園は厚生労働省で、幼稚園は文部科学省です。

現在、「保育士」として保育の職業につくためには、保育士資格を有していることに加え、都道府県の保育士登録簿に登録されていることが必要です(保育士登録制度)。

保育士の主な就労先は、保育士の資格を必要とする認可保育所、認可外保育施設(いわゆる無認可保育所、事業所内保育施設、病院内保育施設、へき地保育所、季節保育所)の他に、乳児院や児童養護施設、児童館、学童保育をはじめとした児童福祉施設、知的障害者に関わる施設などとなります。
近年では、産休交代要員等の保育士の派遣を行う労働者派遣会社や、指定管理者として施設を受託運営する会社、保育士を専門に扱う求人広告会社、民設民営で認可保育所を運営する会社などもあります。

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保育士になるには、以下のいずれかの方法で保育士資格を取得し、保育士として登録しまければなりません。

厚生労働大臣指定の保育士養成施設に入学し、所定の単位を取得して卒業する。
保育士養成施設には、大学、短期大学、専修学校等があり、昼間部のほか、夜間部や通信課程もあります。

都道府県知事が実施する保育士試験に合格する。
保育士資格は国家資格ですが、保育士試験は、都道府県ごとに実施されます。受験資格や実施時期等については、都道府県庁によって異なります。

保育士試験受験資格は以下の通りです。
・学部を問わず、大学を卒業、または大学に2年以上在学し、62単位以上習得した者
・学部を問わず、短大や高等専門学校を卒業した者
・学科を問わず、高校を卒業したものであって、児童福祉施設において、2年以上児童の保護に従事した者
・児童福祉施設において、5年以上児童の保護に従事した者
・高校の保育科を卒業した者
・外国において、学校教育における14年以上の課程を修了した者

試験は年1回、筆記試験(8月上旬の土・日曜)と実施試験(10月上旬の日曜)が行われます。

試験会場は、1都道府県につき、1つ以上の試験会場。(詳しくは都道府県が配布する実施要綱を参照のこと)
なお、自分の現住所や本籍地等に関係なく希望都道府県で受験が可能ですが、筆記試験と実技試験は同一の道府県である必要があります。

試験科目は、方式筆記試験(5択のマークシート)と実技試験になります。
・筆記試験:社会福祉、児童福祉、発達心理学、精神保健、小児保健、小児栄養、保育原理、教育原理、養護原理、保育実習理論
・実技試験:絵画製作、音楽、言語のうち、2分野を選択

※ 実技試験は、筆記試験全科目合格者(各科目60%以上)のみが受験可能です。

試験時間は、発達心理学、精神保健、教育原理、養護原理がそれぞれ30分で、 その他の科目は60分となります。

合格率は10%程度と、難関です。

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