通訳案内士
通訳案内士は、外国語関係の唯一の国家資格で、外国人を日本各地へ案内し、文化や伝統、生活習慣などを外国語を使って紹介するという仕事を行います。
日本にやって来る外国人観光客の観光案内をする以外にも、国際会議でのインフォメーションデスク業務、会議に参加している人、又は同伴者のためのツアー、来日したオーケストラのツアーへの同行や企業のインセンティブツアーへの同行、来日した映画俳優のお忍び旅行の同行等、様々な仕事があります。
企業のツアーに同行する場合は工場見学での通訳やディナーパーティーの司会等の業務が付随することもあります。
さらに、観光地を案内するだけでなく、旅行スケジュールの管理、宿泊先の確認、荷物の管理、買い物のアドバイスといった業務も、仕事のかなりの割合を占めています。
旅行には、交通渋滞、迷子、忘れ物、病気など、思わぬハプニングがつきものです。どんなときにも慌てず、大事に至らないように処理する能力が必要とされます。
通訳案内士は、外国観光客相手のプロの観光ガイドといえます。
通訳案内士になるためには、観光庁長官が実施する通訳案内士試験(旧 通訳案内業試験)に合格し、各都道府県に登録しなくてはなりません。
言語は英語のほか、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語があります。
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通訳案内士試験は、国土交通省主管の国家試験で、独立行政法人国際観光振興会(通称日本政府観光局 JNTO)が試験事務を代行します。
各言語とも、筆記(第1次)試験と口述(第2次)試験があります。
筆記試験は、8月下旬~9月上旬に札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、京都市、広島市、福岡市、那覇市のほか、ソウル(韓国語のみ)、北京、台北、香港(以上、中国語のみ)で行われます。
口述試験は11月下旬~12月上旬にかけて、英語と中国語は東京都、京都市、福岡市で、それ以外は東京都でのみ行われます。
なお、口述試験は「英語」と「英語以外の外国語」が別の日に行われます。
〔試験科目〕
筆記試験
・外国語についての筆記試験(記述式。受験する1ヶ国語を選択)
・日本語による筆記試験(マークシート方式): 日本地理、 日本歴史、 産業、経済、政治及び文化に関する一般常識
口述試験
筆記試験で選択した外国語を用いての面接試験
外国語能力はもちろんのこと、ガイドとして知っておくべき日本文化や社会に関する知識も問われます。同時に人物考査も行われ、通訳案内士としての適性が判断されます。
なお、以下の条件を満たす場合は一部科目が免除となります。
・前年の筆記試験を合格し口述試験を不合格または欠席した者は、筆記試験が免除。前年の筆記試験で一部科目だけ合格点に達している者は、筆記試験でその科目が免除。
・過去に他の言語で通訳案内士として合格した者は、筆記試験で外国語以外が免除。
・実用英語技能検定1級合格者は筆記試験の英語が免除。
・総合または国内旅行業務取扱管理者合格者は日本地理が、歴史能力検定日本史2級以上合格者は日本歴史が免除。
・地域限定通訳案内士試験合格者が当該外国語による通訳案内士試験を受けるときは、当該外国語の筆記試験が免除。
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