技能士
技能士は、厚生労働省が行う技能の国家検定試験(技能検定)に合格した優れた技能者に与えられた称号です。
そして、技能検定に合格しないと名乗ることはできない名称独占資格で、名乗った場合は法律で罰せられます。
技能士には、様々な職種に応じたものがあり、それぞれの技能検定が用意されています。
例えば、建設関係では造園技能士、建築板金技能士、石材施工技能士、建築大工技能士、とび技能士、左官技能士など、食料品関係ではパン製造技能士、菓子製造技能士、みそ製造技能士など、衣服・繊維製品関係では、染色技能士、婦人子供服製造技能士、和裁技能士など、実に多くの職種があります。
等級として、特級、1級、2級、3級の区分がある職種と、単一等級のみで区分がない職種があります。
また、1級、および、単一技能等級の技能検定合格者は、当該職種の職業訓練指導員免許を取得することができます。2級の技能検定合格者は、職業訓練指導員試験の実技試験が免除されます。
それぞれの階級のレベルは次のように区分されています。
・特級:管理者または監督者が通常有すべき技能の程度
・1級、単一等級:上級技能者が通常有すべき技能の程度
・2級:中級技能者が通常有すべき技能の程度
・3級:初級技能者が通常有すべき技能の程度
労働技能の認定は厚生労働省が所管し、中央職業能力開発協会に委託されたものを各都道府県職業能力開発協会が試験実施しますが、一部の職種では民間の指定試験機関が実施します。
技能検定の合格者には、厚生労働大臣名(特級、1級、単一等級)または都道府県知事(2級、3級)の合格証書が交付され、技能士と称することができます。
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技能検定試験は、検定職種ごとに実技試験及び学科試験が行われます。
・試験内容は、国の定めた試験基準に基づいていますが、検定職種毎の試験基準について異なりますので、厚生労働省ホームページで確認が必要です。
・受検資格は、原則として検定職種に関する実務経験が必要です。必要とされる実務経験の年数は、受験する級によって異なります。また、職業訓練歴、学歴等により短縮される場合があります。
特級:1級合格後5年以上
1級:7年以上
2級:2年以上
3級:6ヶ月以上
単一等級:3年以上
・技能検定試験は、前期・後期に分けて実施されます。
実技試験は、原則として、試験日(6月中旬~9月上旬)に先だってその課題が公表されます。
試験時間は概ね4~5時間で、職種によっては、標準時間と打切り時間が定められています。
また、職種によっては、実際的な判断等を試験するために要素試験、ペーパーテストが行われます(この場合、試験問題の事前公表はされません)。
学科試験は、全国統一して職種(作業)、等級ごとに同一の日(7月末~9月上旬)に行われます。
合格基準は、100点を満点として、原則として、実技試験は60点以上、学科試験は65点以上(基礎級では60点以上)です。
技能士章は、技能の技の字中心とした光とその間を結ぶ菊花によって構成されています。光は、技能の輝きを表し、菊花は、技能士の持つ名誉と誇りを表しています。
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