電気工事士は、電気工事の作業に従事する人の都道府県知事により与えられる国家資格です。

ビル、工場、商店、一般住宅などの電気設備の安全を守るために工事の内容によって、一定の資格のある人でなければ、電気工事を行ってはならないことが、法令で決められています。その資格がある人を電気工事士といいます。

要は、電気工事のミスで感電や火災が起こらないように、きちんとした知識のある人が工事するべきなので電気工事士の資格を持った有資格者が作業をするということです。

電気工事士の資格には、第一種と第二種の2種類があります。
第一種:第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場、ビル、高圧受電の商店などの工事に従事ができます。
第二種:一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事ができます。

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電気工事士になるには、第一種と第二種によって異なります。
第一種電気工事士
・第一種電気工事士試験合格後に、大学、高等専門学校電気工学科卒業者は、3年以上の実務経験が必要です。それ以外では、5年以上の実務経験をが必要です。
・電気主任技術者の免状交付を受けた後に、5年以上の実務経験が必要です。
第二種電気工事士
・第二種電気工事士試験に合格する。
・経済産業大臣認定の第二種電気工事士認定校の指定を受けた指定教育機関(専門学校や職業能力開発校等の養成施設で行われている対象科目)を修了する。

電気工事士試験は、財団法人電気技術者試験センターが全国で実施します。
試験は誰でも受験できます。

試験方法は、筆記試験と技能試験があり、筆記試験は四肢択一方式でマークシートです。第一種、第二種共に問題数は50問で、内訳は一般問題20問、配線図問題20問、鑑別問題10問です。なお、電卓及び計算尺の使用はできません。
技能試験は筆記試験合格者及び筆記試験免除者のみ受験可能となります。

筆記試験の合格者はその年と次の年の2回、技能試験に挑戦する権利(次の年は、筆記試験免除者として技能試験を受験する。)があります。

第一種電気工事士試験は、筆記試験が10月、技能試験が12月に実施されます。
筆記試験は、電気主任技術者の資格保有等により免除されます。

第二種電気工事士試験は、上期試験と下期試験のどちらかを選択できます。ただし、両方を受験することはできません。
上期は、筆記試験が6月、技能試験が7月です。 下期は、筆記試験が10月、技能試験が12月です。
筆記試験は、工業高校電気科卒業や専門学校、大学などの認定校の科目取得による卒業、電気主任技術者の資格保有等により免除されます。

筆記試験科目は、第一種、第二種共に以下の内容で、試験時間は、2時間です。
・電気に関する基礎理論
・配電理論及び配線設計
・電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
・電気工事の施工方法
・一般用電気工作物の検査方法
・配線図
・一般用電気工作物の保安に関する法令

技能試験科目は材料選別試験と単位作業試験に分かれて実施されます。
材料選別試験は、与えられた単線結線図から、工事に必要な材料や使用工具を別に配布される写真の中から選び、材料の最小必要数量を回答します。試験時間は25分程度です。
単位作業試験は、配線図で与えられた問題を持参した工具(電動工具以外)を使い、支給される材料で一定時間内に完成させます。試験時間は35分程度です。実際にケーブルやスイッチなどを使用し造営材に見立てた作業板の上で施行します。
第一種は10問、第二種は13問の候補問題が事前に試験センターより、ネット上などで公表されます。

難易度は、第一種は「普通」で、第二種は「やや易」です。
合格率は、第一種、第二種とも、筆記試験、技能試験はそれぞれ50%前後です。

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