無線通信士(無線従事者)は、電磁波を媒体とする通信、いわゆる無線通信に従事する者を指し、総務大臣の免許を受けた業務独占資格です。
その資格はアマチュア無線、陸上無線、航空無線、海上(特殊)無線、総合無線などに区分され、更にそれが3~4階級に細分化されています。そのため資格の種類は全部で23にのぼっています。

その中で、士業としては、第一級~第三級総合無線通信士、第一級~第四級海上無線通信士、航空無線通信士、第一級~第二級陸上無線技術士、第一級~第三級海上特殊無線技士、レーダー級海上特殊無線技士、航空特殊無線技士、第一級~第三級陸上特殊無線技士、国内電信級陸上特殊無線技士などが、あげられます。
なお、第一級~第四級アマチュア無線技士は、無線従事者資格の中のひとつですが、金銭を目的とせず個人的な趣味により無線を送受信する国家資格のため、、「士」という名称の資格職業の対象ではありません。

無線従事者は、その業務に従事しているときは、免許証を携帯していなければなりません。 ただし、不携帯に関して罰則はありません。

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無線従事者資格の国家試験は、指定試験機関の財団法人日本無線協会が全国で実施しています。

国家試験を受験する場合、以下の条件を満たす者は試験科目の一部が免除されます。
・総務大臣が認定した学校等を卒業した者(卒業の日から3年以内に実施される無線従事者国家試験を受ける場合は、申請によって試験科目の一部が免除されます。)
・無線従事者としての免許及び業務経歴がある者
・電気通信事業法による電気通信主任技術者資格等の有資格者(一部資格を除く)

受験する国家試験の各区分によって、試験の日時及び試験科目等は異なります。
なお、試験問題の形式は各区分とも、電気通信術を除き多肢選択方式となります。ただし、第三級海上特殊無線技士の場合は正誤式です。

総合無線通信士(第一級、第二級)
試験実施:9月、3月
試験科目:無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B、法規、英語、地理
合格率:約6%(第一級)、約14%(第二級)

・第三級総合無線通信士
試験実施:9月、3月
試験科目:無線工学の基礎、無線工学、電気通信術、法規、英語
合格率:約14%

海上無線通信士(第一級、第二級)
試験実施:9月、3月
試験科目:無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B、法規、英語
合格率:約60%(第一級)、約20%(第二級)

・第三級海上無線通信士
試験実施:9月、3月
試験科目:無線工学、電気通信術、法規、英語
合格率:約20%

・第四級海上無線通信士
試験実施:8月、2月
試験科目:無線工学、法規
合格率:約40%

航空無線通信士
試験実施:8月、2月
試験科目:無線工学、電気通信術、法規、英語
合格率:約45%

陸上無線技術士(第一級、第二級)
試験実施:7月、1月
試験科目:無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B、法規
合格率:約8%(第一級)、約14%(第二級)

特殊無線技士(海上、レーダー海上、航空、陸上、国内電信級陸上)
試験実施:6月、10月
試験科目:無線工学、電気通信術(第一級海上、航空、国内電信級陸上のみ)、法規、英語(第一級海上のみ)
合格率:約50%(第一級海上)、約80%(第二級海上)、約80%(レーダー海上)、約75%(航空)、約21%(第一級陸上)、約80%(第二級・第三級陸上)、約20%(国内電信級陸上)

試験会場は、東京都、札幌市、仙台市、長野市、金沢市、名古屋市、大阪市、広島市、松山市、熊本市、那覇市のほか、科目や試験日によって、舞鶴市、三豊市、福岡市、枕崎市などもあります。

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