運転士
運転士は、車両・機械などを操作・操縦する職業操縦技能者のことで、基本的にその資格を持ったものでないと対象とする車両・機械などを運転することが許されない場合が多くあります。
特殊な資格が必要なことから、「士」の字がつく職業となっています。
運転士には、バス(旅客自動車)運転士、鉄道の運転士、吊上げ運転士などに大別されます。
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バス(旅客自動車)運転士
一般乗合旅客自動車事業もしくは一般貸切旅客自動車事業において、その自動車を運転操作を業とします。
一般的には、「運転手」と呼ばれます。
バスの運転士は、大型自動車第二種運転免許(小型バスであれば中型自動車第二種運転免許)が必要です。
第二種運転免許の種類としては、大型自動車第二種免許、中型自動車第二種免許(8トン限定免許あり)、普通自動車第二種免許(AT限定あり)、大型特殊自動車第二種免許、牽引第二種免許があります。
受験資格は、21歳以上の者で、 大型第一種免許、中型第一種免許、普通第一種免許、大型特殊第一種免許のうちいずれかを現に受け、期間が通算して3年以上あることです。
なお、牽引第二種免許の場合は、それ以外に牽引第一種免許を現に受け、期間が通算して3年以上あっても受験資格があります。
試験科目は、適性検査(視力、色彩能力、深視力、聴力、運動能力)、学科試験(マークシート95問)、技能試験となります。
第一種運転免許に比べ応用問題が多く、難易度も高くなります。
鉄道の運転士
鉄道の運転士は、国土交通省より運転免許が交付されます。
動力車操縦者ともいわれ、動力車操縦者運転免許に関する省令で定める一定の動力車を操縦する資格があります。
運転資格は電車のほか、気動車、路面電車、トロリーバスなどが対象となります。
動力車とされるものは、鉄道及び軌道の蒸気機関車、電気機関車、電車、蓄電池機関車、蓄電池電車、内燃機関車、内燃動車、無軌条電車などになります。
また、運転免許は、甲種蒸気機関車運転免許、甲種電気車運転免許、甲種内燃車運転免許、乙種蒸気機関車運転免許、乙種電気車運転免許、乙種内燃車運転免許、新幹線電気車運転免許、第一種磁気誘導式電気車運転免許、第二種磁気誘導式電気車運転免許、第一種磁気誘導式内燃車運転免許、第二種磁気誘導式内燃車運転免許、無軌条電車運転免許などに分類されます。
受験資格は、20歳以上の者で、運転免許の取消を受けた者の場合は、取消日から起算して1年を経過していれば学歴、経験、国籍を問わず受験できます。
なお、視力、色覚、心電図等のチェックをクリアする必要があります。
試験科目は、身体検査、適性検査、筆記試験と実技試験になります。
鉄道、軌道、無軌条電車の係員は、一部条件を除き、地方運輸局長の運転免許を受けた後でなければ、動力車を操縦できません。
吊上げ運転士
吊上げ運転士は、労働安全衛生法に定められた国家資格(免許)の一つであり、それぞれの運転士免許試験(学科及び実技)に合格し、労働局より免許が交付されます。
吊上げ運転士としては、クレーン・デリック運転士、移動式クレーン運転士、揚貨装置運転士などがあります。
それぞれ吊り上げ荷重(又は制限荷重)が5t以上のものを運転操作するためには、運転士免許が必要です。
受験資格は、学歴、経験に係わらず誰でも受験可能ですが、免許交付は18歳以上となります。
免許試験は全国の安全衛生技術センターで行われ、実技教習は都道府県労働局長登録教習機関において行われます。
試験科目は、学科と実技になります。
・クレーン・デリック運転士:免許は、「クレーンとデリックの両方」、「クレーン限定」、「床上運転式クレーン限定」の3つに区分されます。
・移動式クレーン運転士:移動式クレーンには、陸上移動(トラッククレーン、ホイールクレーン、クローラクレーン、鉄道クレーン)や水上移動(浮きクレーン)があります。
・揚貨装置運転士:揚貨装置とは、船舶に取り付けられたデリックやクレーン設備のことをいい、陸から船へあるいは船から陸へ積載貨物を積み替える港湾での荷役作業に用いられる機械です。
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