整備士は、乗り物をはじめとする機械などの点検・整備等を行う人のことで、多くはそれぞれの作業を行うための資格を持っていなければなりません。
ここでは、士業という観点から、整備を仕事とする者を対象とします。

機器等の本来の機能を維持し、事故を未然に防ぐためには、専門的な知識とともに、適切な時期に適切な作業手順で整備を実施することが必要となります。
こうした、正しい整備を行うためには、一般的に法令等で定められた資格保持者のみが行えるものも多くあります。

整備士が対応する整備対象機器と、その名称は次のようになります。
・自動車:自動車整備士
・船舶:マリン整備士(マリンエンジン整備士、マリン船体整備士)、舶用機関整備士
・航空機:航空整備士、航空運航整備士、航空工場整備士
・鉄道:電車整備士、軌道整備士
・ボイラー:ボイラー整備士
・無線:航海用無線設備整備士、航海用レーダー整備士、船舶無線整備士
・自転車:自転車安全整備士
・パソコン:パソコン整備士

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自動車整備士
自動車分解整備事業場において自動車のメンテナンス(診断・点検・分解・組立・修理・調整等)に従事し、自動車整備士国家試験に合格しなければなりません。
試験は国土交通省自動車交通局監修のもと、各都道府県で自動車整備士の技能検定(自動車整備士国家試験)が実施されます。
学科は7月下旬頃と11月下旬頃の年2回、実技は8月中旬頃と2月下旬頃の年2回、認定試験においては学科は10月上旬頃と3月下旬頃の年2回行われますが、種類(一級自動車整備士~三級自動車整備士、特殊整備士)によって実施回数は異なります。

マリン整備士
ボートやヨットなどの小型船舶の船体やエンジンなどを整備、保守点検します。
いくつかの組織(財団法人尾道海技学院東海工科専門学校など)によって講習や民間資格認定が行われます。

舶用機関整備士
小型船舶(旅客船、沿岸小型船舶)及び第2種小型漁船を、整備、保守点検します。。
社団法人日本舶用機関整備協会が舶用機関整備士資格検定を実施し、ランクに応じて責任者・技能者として必要な技能を有していると認定されます。

航空整備士
航空整備士は、航空機の整備や改造を行うのに必要な資格で、国土交通省管轄の航空従事者国家資格です。
種別は、一等(飛行機、ヘリコプター)、二等(飛行機、ヘリコプター、滑空機)になっています。
国土交通省による、国家試験は年2回実施されるます。
試験には一等が20歳以上、二等が19歳以上の年齢制限のほか、一定の整備経歴が必要になります。

航空運航整備士
航空運航整備士は、航空機のは保守及び軽微な修理を行うのに必要な資格で、国土交通省管轄の航空従事者国家資格です。
航空整備士の下位資格となります。
種別は、一等(飛行機の耐空類別輸送C及び輸送T、ヘリコプターの耐空類別輸送TA及び輸送TB)、二等(その他の耐空類別の飛行機とヘリコプター、滑空機、飛行船)になっています。
国土交通省による、国家試験は年2回実施されるます。
試験には一等、二等ともに18歳以上の年齢制限のほか、一定の整備経歴が必要になります。

航空工場整備士
航空工場整備士は、航空機の部品の整備を行うのに必要な資格で、国土交通省管轄の航空従事者国家資格です。
種別は、機体構造関係、機体装備関係、ピストン発動機関係、タービン発動機関係、プロペラ関係、計器関係、電子装備品関係、電気装備品関係、無線通信機器関係になっています。
国土交通省による、国家試験は年2回実施されるます。
試験には18歳以上の年齢制限のほか、一定の飛行経歴が必要になります。

電車整備士、軌道整備士
それぞれ、車両及び線路を点検・整備等を行う人のことを指します。
ただ、、国家資格である鉄道車両製造・整備技能士を含めて、鉄道のメンテナンス(診断・点検・分解・組立・修理・調整等)に従事する者の総称です。

ボイラー整備士
ボイラー整備士は、定期的にすべてのボイラーの使用を停止して、付属装置などの整備作業を行う、労働安全衛生法に定められた国家資格(免許)です。
ボイラー整備士になるには、ボイラー整備士免許試験に合格し、免許の交付を受けなければなりません。
国家試験の受検資格は実務経験があり、実技なしの学科のみで、2月、5月、10月頃の年3回、全国の安全衛生技術センターで行われます。

航海用無線設備整備士
GMDSS(全世界的な海上遭難安全システム)の国内導入に伴い、その無線設備(航海用具にかかるもの)の整備を行うため、社団法人日本船舶電装協会が会員事業所に所属する従業員を対象に制定している無線設備装備技術者の資格です。

航海用レーダー整備士
社団法人日本船舶電装協会が会員事業所に所属する従業員を対象に制定している資格で、航海用レーダー及び自動衝突予防援助装置を対象とした装備工事技術者の資格です。

船舶無線整備士
社団法人全国船舶無線工事協会が認定する資格。

自転車安全整備士
自転車安全整備士は、財団法人日本交通管理技術協会が実施する「自転車安全整備技能検定」に合格し、自転車の点検整備と安全利用の指導について専門的な技能をもち、かつ、自転車安全整備制度推進の中心的な役割を果たす人となっています。

パソコン整備士
パソコン整備士は、内閣府認定の特定非営利活動法人パソコン整備士協会が主催するパソコンのハードウェア・ソフトウェアに関する情報処理技術系の民間資格です。
パソコン整備士として認定されるには、パソコン整備士認定試験に合格したのち、パソコン整備士協会に活動会員として入会する必要があります。

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