海事代理士
海事代理士は、他人の委託により国土交通省や都道府県等の行政機関に対して、船舶安全法、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律、船員法、船舶職員及び小型船舶操縦者法などの海事関係諸法令の規定に基づく申請、届出、登記その他の手続きをし、又はこれらの手続きに必要な書類を作成するのに必要な国家資格です。
このように、司法書士、行政書士や社会保険労務士の海事版で、「海の司法書士」、「海の行政書士」と呼ばれることがあります。
海事代理士になるには、海事代理士試験に合格し、海事代理士として登録することが必要です。
海事代理士は、概ね以下のような業務を代理人として行います。
1.船舶に関する手続:船舶の建造、売買、相続から廃船に至るまでの登記・登録・検査・検認、海洋環境や安全に係る国際条約による証書類の取得など
2.船員や海技資格に関する手続:船員の雇用や労働を律する船員法関係諸手続(例えば、船員手帳の交付や書換、乗組員の雇入届出や海難事故等の報告事務など)、海技士や小型船舶操縦者などの海技資格の取得や更新など
3.海上交通に関わる各種事業に関する手続:旅客船事業、船舶による貨物運送事業、港湾荷役や造船業等、各種事業の許認可・登録等の取得など
4.その他、1~3項に係る相談・鑑定等の業務
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海事代理士となるには、海事代理士試験に合格するか、行政官庁において十年以上海事に関する事務に従事し、その職務の経歴により海事代理士の業務を行うのに十分な知識を有していると国土交通大臣が認めたものとなっています。
海事代理士試験は、国土交通大臣が毎年秋に1回行います。実施する海事代理士試験の実施要領については、その年の7月に官報等において公表されます。
学歴、年齢、性別等による制限はありませんが、試験に合格しても海事代理士法第3条に規定する欠格事由に該当する者は、海事代理士の登録ができません。例えば、未成年者は欠格事由となります。
試験は1次の筆記試験(一般法律常識、海事法令など)と2次の口述試験になります。
口述試験は、本年の筆記試験合格者及び前年の筆記試験合格者で本年の筆記試験免除の申請をした者に対して行われます。
海事代理士の徽章は金色の菊の花弁と中央に黒地に金色でラットが配されています。菊は法律を表しラットは海事を表しています。
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